女と男の接点(下)
引き続き、愛妻家を自称するどんぐり太郎です。
忘れてしまいたいことや
どうしようもない寂しさに
包まれた時に男は
酒を飲むのでしょう
名曲、『酒と泪と男と女』です。
男はこのあと飲んで飲んで飲まれて飲んで、酔いつぶれて静かに眠ってしまうわけですが。
夫婦や恋人同士の間に起こりやすいコミュニケーションギャップについて、男性側からの言い訳はほぼこの歌詞に凝縮されているような気がします。
男ってねー。
うまくいかなかったことや、もやもやしたことを、あまり話したくないんですよ。特に愛する人には。
明日までこのままで
独りにさせてくれ
あなたにはいい顔を
いつでもしていたい
さあむこうを向いてくれ
これはCharの『闘牛士』。故・阿久悠さんの作詞です。
たとえば仕事で何か失敗した日は、できれば独り黙って噛み締めていたい。弱みは見せたくないんですね。
しかし、なんか不機嫌にしてるのを訝しく思った彼女は必ず、
「どうしたの?」
と問いかけてきます。
それに対して男性はただクールに、
「別に」
などと取りつく島もない。
男性のそういうそっけない態度に、女性は自分が必要とされてないのかしらと感じてしまうことがしばしば。
しかしそれは女性の大いなる勘違いなんですね。
男性はこういうとき、ただ自己完結していたいだけなんです。
勝手ですが、男ってのはそんなとき、女性には母のように優しく見守っていてほしいんです。
今日あったことなんていちいち話したくない。話すほど惨めになる。いやなことならなおさら。
でも、キミにだけはこの気持ちをなんとなくわかってほしいんだよな、なんて。
やっぱ勝手だわなー。
そりゃ怒るわなー。
早い話、これは没交渉という形をとった男の甘えの表現であるわけですが、なかなか女性には理解されません。
どんぐり太郎の場合、困ったことにこの没交渉を出張先でもやってしまいます。
そりゃ自宅で独り放置されたくるみママにとってみれば、ないがしろにされたと怒るのも当然でありまして。
どんぐり太郎にはまったく申し開きの余地がありません。はい。
ちゃんとSkypeするから許して!
多くの女性は、男性が時おり押し付けるこうした「言語抜きのコミュニケーション」が大の苦手なんですね。
そんなものはコミュニケーションですらない、と蹴散らす女性も少なくないことでしょう。
何しろ、男性がこんなふうに「自己完結したがる生き物」であるのに対し、女性は他者に「確認する生き物」「共感を求める生き物」であって、しかも「話したい話したい話したい生き物」であるわけですから。
その昔、さだまさしの『関白宣言』では「黙っておれについてこい」などという根拠のない自信に満ちた勇ましい言葉がありましたが、今どき黙ってついてくる女性はいないでしょう。
黙ってたら女性はいろいろ聞いてくるでしょうし、あれこれ話し合って、納得して、ようやくついてきてくれるものです。
ということで、我々の週末の軽井沢。
車に乗り込んだ瞬間からスタートするくるみママのマシンガントークが、夫婦の大事なコミュニケーションのプロローグであります。
首都高、関越、上信越道、そしていつもの居酒屋に着いても話は尽きることがありません。
ええ、ちゃんと真面目に聞いてますよ。
日常の緊張感から解放されて、くるみママとゆっくり向き合ってあげられる時間は、それはそれでけっこう好きなんです。
結局のところ、どんぐり太郎の側は自分のことはほとんど語らずじまいなんですけどね。
でもそんなとき、くるみママから「私を必要としてないの?」なんて文句は出ません。
だって、そもそもくるみママは実は聞きたいんじゃなくて話したいんですから。
世の男性諸兄。
男女におけるコミュニケーションとは、男性が女性の話にちゃんと向き合ってあげることに他なりませぬ。
聞いてあげてください。
話し終えた後の彼女のスッキリした顔ときたら。
見てるだけでこちらまでスッキリしますぞ。
※くるみママ追記
分かった。没交渉の時は黙って酎ハイをそっと出すわ。
でもやっぱりその後、話を聞いて!
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