軽井沢小説
連休は追分で読書三昧のはずが座る時間にも事欠くどんぐり太郎です。
本日は軽井沢を舞台にした小説のお話であります。
実は過去からいくつもありまして、古くは堀辰雄の『美しい村』『風立ちぬ』がよく知られているでありますね。
これらは戦前の古き良き時代の避暑地の姿が巧みに描かれた作品でありますが、今どきの軽井沢とはいささかほど遠いノスタルジックな情景描写であります。
軽井沢は推理小説関係にもよく登場したでありますが、横溝正史が昭和30年代に著した『霧の山荘』、少し新しいところでは内田康夫が平成に出版したその名もずばり『軽井沢殺人事件』などが有名でありますね。
少し変わったところでは、宇能鴻一郎が嵯峨島昭名義で昭和54年に刊行した推理小説『軽井沢夫人』というのがありまして。こちらは後に日活ロマンポルノで映画化されたであります。そういうキワドイ内容であります。
Wikipediaには「軽井沢を舞台とした作品」というカテゴリーがあるものの、非常に中身の薄いものでありまして、たとえば宮本輝の『避暑地の猫』という名作が抜け落ちていたりなど。こちらはテレビドラマ化されたほどの作品でありますのに。非常に話が入り組んでいて、何度も予想を裏切られる展開になっており、宮本輝という作家のストーリーテラーとしての凄みを感じる秀逸な一冊であります。
個人的には、よくも悪くもいちばん軽井沢をありありと感じる作品としてこの『避暑地の猫』をオススメしたいであります。ドロドロとした話なのになぜか読後に清涼感のある、不思議な作品であります。
※玉三郎追記
オレッチも避暑地の猫にゃ。
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