燃える男の白い軽トラ
赤いトラクターを歌にするなんて、さすが『自動車ショー歌』を唄った小林旭と感心したどんぐり太郎です。
とかく田舎暮らしには軽トラックが便利とはよく聞く話であります。
『軽トラの本』などという真面目なビジネス系の本も出ておりまして、どんぐり太郎も思わず衝動買いして熟読したほどであります。
手軽にモノを運ぶという用途に対して徹底的に無駄を省いて究極までコストを切り詰めた軽トラでありますが、ここまで削るかい! とツッコミたくなるほどでありまして。
何しろ軽トラはとにかくまっすぐ走ってくれたらいいという最低限の要求に最低限のスペックで開き直る自動車であります。走る・曲がる・停まるに関する絶対性能は他の自動車に比べても大したことはないと申しますか、むしろ劣るであります。
削りすぎによる弱点も抱えておりまして、椅子はシートというよりベンチと呼ぶほうが相応しい質素さ。内外装は実用一点張りでありまして、造形の遊びなど欠片もないのであります。
そんな軽トラのユーザーにも世代交代が訪れておりまして、農業の形態も旧来のような家族だけで切り盛りするのでなく、企業的な経営に切り替えることが増え、若い層や外国人の農業就労者が増えているのでありますね。そら、軽トラへのニーズも様変わりするわけでありまして。
軽自動車の代名詞のようなダイハツは軽トラとしては異例な、派手なメタリックカラーを含む8色の車体色バリエーションを設けております。運転席バニティミラーやUVカットガラスを採用した「農業女子パック」まで用意しているという徹底ぶり。さらには荷台長を30センチメートル近くも削って、キャビンを後ろに伸ばしてリクラインの余地や余剰スペースを設けるなどイノベーションを続けてきたのでありました。
かく申すどんぐり太郎にも、期せずしてその軽トラに乗る機会が訪れたであります。
4月半ばのどんよりと曇った日、佐久平駅前のトヨタレンタカーでこいつを拝借いたしまして。
燃える男の白い軽トラ。
と申しますのも、くるみママが知人の親戚から薪を譲り受けるという話をつけてしまいまして、それを取りに行くことになった次第でありまして。
しかも行き先は小海町。
佐久平駅前から軽トラで小海まで薪を取りにいって、それを追分まで運んでさらに佐久平駅前まで返しに行くというのでありますよ。
もちろん、アメリカでビューイックかフォードのクルマで免許を取ったくるみママが軽トラなど操れるはずもなく、ステアリングはどんぐり太郎の手に。トホホであります。
なんというシンプルな運転席。
ラジオに至ってはチャンネルが回せなくなっておりまして、1620KHzの交通情報しか聴けないようになっているであります。
運転はおっかなびっくりであります。
どれだけステアリングを回したらどれだけ曲がるか、どれだけアクセルを踏み込んだらどれだけ走るか、そういう感覚がまるでない中で、まさにヒヤヒヤの手探りのまま国道を一路、小海町まで。アイコス片手にイライラの連続でありまして。
アクセルを踏み続けなければ走らない微妙な上り坂にエンジンは唸りを上げるばかり。
しかも室内の狭いこと狭いこと。もちろんリクライニングなんぞ当然ございませぬ。
荷物? それは荷台に積めということでありまして、運転席も助手席も余裕ゼロゆえ、持ち物はすべて助手席のくるみママの膝の上であります。
小海で薪を60束ばかり積み込みまして、いざ追分へ。
このへんまで帰ってくるとようやく安心。
軽トラの感覚にも慣れてまいりまして、能動をひた走っていると冒頭の小林旭のあの歌を口ずさんでいるどんぐり太郎であります。
実にこれだけ積んできたでありますよ。
これを、腰が痛いの足がつったの喚きながら1時間かけてベランダ下に下ろしまして。
追分荘をバックにパチリ。
何だかようやくこいつが可愛くなってきたであります。
が、やっぱりいつものクルマが最高であります。
※くるみママ追記
そう?メタルカラーの軽トラには惹かれるかも♫
お立ち寄り頂きましたおしるしに
こちら ↓ をポチして下さると幸いです♪
軽井沢に関する情報がこちらにも盛りだくさん。