ど真ん中の味噌ラーメン
外角低めのストレートを逆方向に華麗に流し打つ夢をよく見るどんぐり太郎です。
およそカレーライスならカレーライスの、ラーメンならラーメンの原体験というものが誰にもあるはずでありまして、その原体験は後々の人生までけっこう大きく影響をもたらすものであります。
たとえば味噌ラーメンといえばこんなもの、というおおよそのシニフィエ。こんな辛さとしょっぱさと甘さなどなど、頭の中でざっくりとしたイメージができるわけでありますね。
ところが前にご紹介した「麺屋誉」のアレはそういう想像と申しますか期待のようなものを完璧に打ち破っておりまして、自らの世界観の中に新しく「想像を絶する味噌ラーメン」というカテゴリーを用意してしまったという意味で画期的だったわけであります。
同じ味噌ラーメンでありますと旧軽銀座入口の路地を入った所にある「美乃屋」の辛味噌らーめんなんかもその類でありまして。いずれにいたしましても「他のどこにもないここだけの味」であるということが必要条件であります。
そういった特異かつ秀逸なラーメンとは対極にあるものはつまらないものあるいは取るに足らないものであるかといえば、必ずしもそうではないのでありまして、それはそれで言い知れぬ安心感を与えてくれるという意味で非常に有難い存在なのであります。
チェーン店の存在意義はまさにそういうところにありまして、究極のグルメを求めつつも時にはそうしたニュートラルポジションに帰って味覚の基準をきちんとキャリブレートしておく必要があると考えます次第。
そういう観点からすると佐久にある幸楽苑などは貴重な存在あるのかもしれませぬ。
ニュートラルといえば、チェーン店でなくてもど真ん中があったであります。
こちらは佐久の「サッポロラーメン亜里沙」。
実はずいぶん昔からとっても気にはなっていたものの、そのキラキラネームの如き店名が障害になってなかなか足を踏み入れることができなかったお店であります。
お店の名前にケチをつけるのもアレな感じではありますものの、サッポロラーメンときたら熊太郎だとか十勝嵐だとか、もう少し雄々しい名にしていただけると少し敷居が下がるでありますね。
ともあれこちらのお店はどんぐり太郎が勝手に想像を膨らませていたようなパツキン化粧バッキバキの豹柄ヤンキー姐さん(その名はたぶん亜里沙)が煙草を咥えたまま「らっしゃーい!」と出てくるわけでもなく(BGMはもちろんE.YAZAWA一択)、実際はお歳を召したご主人とご婦人らが切り盛りするとても小綺麗でさっぱりとした、(ローカルのAMラジオが流れる)静かなお店であることはお伝えしておくであります。
で、こちらが亜里沙の味噌ラーメン。
麺が西山なのでありますね。もうその時点でクォリティは50%保証。
味はとにかく味噌ラーメンの原体験そのもの。懐かしさという絶対的な好感度要素に支えられた安定の風味は、変に調味されていない伝統的な味噌本来の香味(臭みともいう)をそのまま生かしつつ、微妙な辛味を添えてアクセントにした、ザ・味噌ラーメン。元祖、手本、雛形、基準、平均。ともかくも世の中のありとあらゆる味噌ラーメンを四象限にマッピングしてみた場合、(0,0)の原点に来るのがたぶんこの味であります。
これはこれで感動でありますよ。世の中には様々な「平均」が存在いたしますものの、そこは「平均」のマジックと申しますか、平均的な何かというものはたいていは幻想であって実際には存在しないことがほとんどでありまするが、こと味噌ラーメンについてはここに厳然と存在したであります。
美乃屋や誉のようなとんがった味ではないものの、本来ならあるはずのないど真ん中の味に出逢えたのは幸いであります。
※くるみママ追記
炒飯や餃子もど真ん中でとっても美味しいです♪
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